3月8日(木)メディアタイムズにリカ役で芦田愛菜が出演。今回は第10回「フェイクニュースを見抜くには」。
◆後藤さんもだまされたネットニュース
「ねえ、お父さん!見て見て、これすごいよ! 『渋谷のNHK、実は巨大ロボットに変形?』だって!」。あるニュースを見つけたリカが後藤さんに近寄り、タブレットを見せる。ところが「ふーん」と反応がイマイチの後藤さん。「リカ、それフェイクニュースだから」と言う。「フェイクニュース?何それ?」とリカ。すると「つまりウソってことよ」とキョウコさん。フェイクニュースと言うのは、SNSやメディアに載った間違ったニュースの事を言う。後藤も、実はそのニュースを見つけ、興奮していたのだとか。「まんまとだまされたよ」と悔しそうに話す後藤さん。
◆よかれと思って広めたニュースも
フェイクニュースには世の中を混乱させるものもあるようだ。2016年のアメリカ大統領選挙では、『ローマ法王がトランプ氏を支持』というニュースが流れ、選挙結果を左右したと言われている。日本国内でも2016年の熊本地震で、「動物園からライオンがにげた!」というフェイクニュースが広まり、情報を拡散した人は一時間に2万人とも。広めた人のなかには、早く地元の人に危険を知らせたいという思いもあったのだろう。そんなフェイクニュースを監視している人達が存在する。
◆記事や投稿を監視している会社を取材その1
・ネットの記事や投稿を監視
取材してきたのは、インターネット上の記事や投稿を監視している会社。SNSを中心にインターネット上の間違った表現や法律にふれる書きこみを、24時間、365日チェックしている。特定の人物や企業を傷つける言葉、事実と異なる投稿、住所や電話番号などの個人情報などを、人工知能AIがリストアップ。リストアップしたものを人間の目でチェックする。情報システム担当によれば、「意図的に悪意を持って、その人になりすましてニュースを発信するケースが多い」のだとか。
・月に1000万件の記事をチェック
実際の書き込みをもとに、投稿を再現。「ある政党に所属している候補が不正なお金をもらっているらしい」という書き込み。これは、「事実ではない可能性あり」と判断。ある学校の関係者を事件の犯人だとうったえた投稿。文章には、その人のメールアドレスも書き込まれていた。この様なネット上の記事や投稿を日々チェック。その数、月に何と1000万件。チェックする記事は年々ふえているそうだ。
◆フェイクニュースでお金をかせげる?
「でも、どうしてこんなフェイクニュースが生まれちゃうんだろう」とリカ。世の中には自分の作った嘘でみんなを騒がせている人も存在するようだ。フェイクニュースがネット上で注目されるとネットの広告費が入る。そのお金をかせぐ目的の人もいるのかもしれない。「フェイクニュースを作ることを仕事にしている人もいるんじゃないかな」と後藤さんは言うが、一見フェイクニュースかどうかわからないものもあるのが現状。すると「フェイクニュースを見ぬくコツを聞いてきたと」コーヘイ。
◆記事や投稿を監視している会社を取材その2
・発信元をさぐれ!
システム担当が言うには、SNSなどで配信されるフェイクニュースの見分け方には三つのポイントがあるそうだ。見分け方その1、「発信元をさぐれ!」。さっきの『渋谷のNHK、巨大ロボットに変形?』という投稿を例とする。「初めに、発信元がどこなのか確認する」と担当者。ニュースは、新聞やテレビ、ニュースサイトなどが配信している。記事を見ると、どこが配信しているかわかるようになっていることが多い。しかし、今回の巨大ロボットの場合は、SNSで個人が投稿しただけの記事であり、取材に基づいた情報なのかわからない。
・ほかのメディアも調べてみる
見分け方その2、「ほかのメディアも調べてみる」。同じニュースを他のサイトで紹介しているページはないか確認。SNSだけではなく、新聞やテレビ、ニュースサイトなどでも取り上げているかどうかチェック。事実であれば他ののメディアでも扱う事が多い。さらに、そのニュースがどのように報じられているか確認することが大切である。
・文章の表現に注目
見分け方その3、「文章の表現に注目」。担当者によると、その人の意見なのか、事実をうったえているのかを確認することで、フェイクニュースかそうでないかを見ぬくことが出来るそうだ。例えば、「~らしい」「~と思われる」「~か!?」といったあいまいな表現を使っている場合、文章をよく読むことが大事。
SNSを使うにあたって気をつけてほしいことを担当者が教えてくた。「周りの人たちがSNSをたくさん使っている事で、友達などから発信された内容は信用しがち。それも、フェイクニュースが広がる理由になっている」と。
◆表現の自由・言論の自由?
「たしかに、友だちから送られてきた情報だったら信じちゃうかも。フェイクニュースを広めちゃいけないっていうルールはないの?」とリカ。ルールを作るべきという声がある一方、表現の自由・言論の自由が制限されるのではという声もあるとコーヘイは言う。すると、「めいっ子からSNSが送られてきたんだ。『海外に行ってきました!』って」とキョウコさんがスマホを見せる。「ヨーロッパかなこれ?」とリカ。「イタリアだ!」とコーヘイ。ところが、実は送られきた写真は東京。二人はびっくりする。
◆罰するルールを作るべきか…
「ジャーン! これ見て」と今度は後藤さんがスマホを見せる。宇宙服を着た後藤さんが『宇宙旅行に行ってきました!』と。「見た人が楽しんでくれるかなと思って作ったんだ」という後藤さん。明らかに冗談とわかるものなら、誰も傷つくことがなく、面白い。しかし、フェイクニュースを罰するルールが出来てしまった場合、このように遊びで作ったものも罰せられてしまう可能性もある。「ネット上にウソをのせたら罰するルールを作るべきか、人を楽しませる冗談までなくなるルールはないほうがいいのか…」というコーヘイの言葉に、考え込んでしまう皆であった。