8月23日(木)メディアタイムズにリカ役で芦田愛菜が出演。今回は2018年度第8回「どこまでがOK?著作権」。
◆ただでマンガが読めるサイト?
マンガを読んでいるリカ。すると、「あ、『ストレッチマン』! 出たんだ」と言いながら、タブレットの『ストレッチマン』を見せ、「5分休憩」と読み始めるコーヘイ。すると…「コーヘイ!」と後藤さん。見つかっちゃったのかと顔をかくすコーヘイとリカだったが、「君はほんとに…えらい!」と後藤さんが言うと、「え?」となるコーヘイとリカ。「ちゃんとマンガを買って読んでるんだろ? 最近はマンガ家や出版社の許可なく、ただでマンガが読めるサイトで読む人が増えてるからね」と後藤さん。「いわゆる海賊版サイトね」とキョウコさん。
◆海賊版サイトの問題
「ちょっと見て」と後藤さんが皆にサイトを見せる。そのサイトは、マンガがたくさんならんでいる。「これ、何か問題あるの?」とリカ。マンガを買えば出版社やマンガ家さんにお金が入ってくるが、海賊版サイトでただでマンガを読むと、マンガ家さんや出版社にはお金は入ってこないとキョウコさんは言う。「それじゃマンガ家の人とか出版社の人たち、こまっちゃう。なんでこんなことするの?」とリカ。その答えは、サイトを運営している人たちにお金が入る仕組みで、マンガの横に広告がありそこで広告収入が入ってくる為だ。
◆許可なくマンガを公開するのは著作権侵害
「明らかな著作権侵害。著作物ってわかる?」と後藤さんがリカたちに聞く。「マンガとか、映画とか?」と答えるリカ。「写真や絵画、本や音楽も著作物」とコーヘイ。「そういう著作物の作者、つまりマンガや本だったらそれを書いた人。音楽だったら作曲家や作詞家。そういう人たちにあたえられた作品の権利が『著作権』」と後藤さん。「許可なくマンガを公開するのは、著作権侵害。これは見のがせない」とキョウコさん。「はい。バッチリ調べてきます!」とコーヘイ。
◆日本漫画家協会を取材
・被害額は半年でおよそ3200億円
今回訪れたのは、日本漫画家協会(日本漫画家協会は、2014年(平成26年)4月1日に設立された日本の公益社団法人で、漫画家の職能団体)。およそ1400人のマンガ家が会員となっている団体なのだそうだ。こうした事態に協会は、海賊版サイトに対する緊急声明を出した。そこには、『このままの状態が続けば、日本の色々な文化が、ついには滅びてしまう』というメッセージが。マンガの単行本と雑誌の全盛期の売り上げは、約6000億円。しかし最近では電子版(電子書籍)を合わせてもその7割程度だという。これは海賊版の影響ともいわれており、報告では被害額は半年でおよそ3200億円というのだから驚きだ。
◆マンガ家を取材
・マンガ作りの現場では
実際に海賊版の被害にあっているマンガ家を訪問。話を聞かせてくれたのは、マンガ家の赤松健さん。代表作は、『ラブひな』や『魔法先生 ネギま!』。赤松さんは、5人のアシスタントと共にマンガを作っているのだそうだ。細かな作業を繰り返し行い、丁寧に描く。下書きをした後、次の工程は「ペン入れ」。力の加減で線の太さに変化をつけながら、輪郭を整えていく。そして、影や背景を足していく。ストーリーが引き立つよう、入念に仕上げていく。
・マンガ家のやる気を失わせてしまう
1ページ完成するのに延べ8時間。「一生懸命、時間と命を削って描いた作品に関して、海賊版サイトの人達が金儲けを目的に安易にコピーして使うことに、すごく憤りを感じる」と赤松さんは言う。単行本発売日の翌日に海賊版サイトにあがってしまうのが現状。マンガが発売されて買ってもらえる、読んでもらえると期待しているマンガ家、新人マンガ家の気持ちを損ねてしまい、結果としてやる気を失ってしまう人が結構いるそうだ。
・許可を得て絶版マンガを公開するサイト
赤松さんは7年前にあるサイトを立ち上げた。そのサイトで公開しているのは主に絶版になった古いマンガ。およそ5000作品が掲載されていて、すべて無料で読める。これは海賊版サイトではなく、作者が掲載を許可したマンガばかりが並んだ、しっかりとしたサイトだ。サイト内には広告があるが、広告収入は作者に支払われる仕組みになっている。「絶版の作品を見て、『昔こんなおもしろい作品があったのか! 作者は今どんなマンガを描いているのだろう』と新作を買っていただく。という形で回していくのが目標」と赤松さんは言う。
◆「買う」ことはマンガ文化を支えること
「赤松さんのサイトで昔の作品を読んでくれる人が増え、引退したマンガ家が再び筆をとり始めたというケースもある」とコーヘイ。「『買う』という事は、マンガという文化を支えるという意味でもある」とキョウコさん。そのとき、「あ、これはまずいんじゃないか?」と後藤さん。画面を見てると『ストレッチマン』のようだが、宝石泥棒にビル爆破と、ストレッチマンが全然ヒーローではない。これは作者に無断で行っている『二次創作』といわれるもの。原作とは全然違う話をかいているのだ。
◆読者をまどわす「二次創作」
「本物って勘違いする人もいるんじゃないか?」とコーヘイ。昔、子ども達に大人気のマンガで、最終回を勝手に別の人がマンガにして販売したっていう事があったと後藤さんが言うと、あまりにも似ていたから、それが最終回だと思い込む人もいて、話題になったとキョウコさんも続けて言う。すると、「え、でもそれ、作者はすごくいやがるんじゃないかな」とリカ。「まあねえ、作品世界を全然ちがうものに変えちゃったわけだから」とキョウコさん。
◆二次創作を認めるべきか、禁止するべきか
「この悪いストレッチマン、けっこうウケるんじゃないかな」とコーヘイ。「確かに、原作の人気が高まるって事もあるかもしれない」とキョウコさんは言うが、「でも、やっぱり作者は嫌だと思うな」とリカ。「さらに面白いものが生まれたり原作の人気が高まったりする事もあるから、二次創作は認めるべきか?」と後藤さん。「作品を勝手に使ったり、違う話にしちゃうことは作者の気持ちに反するから、全部禁止するべきか?」とキョウコさん。「どっち?」と聞かれて、最後は考え込むリカ達でした。