2月2日(土曜日)22時からの、SWITCHインタビュー 達人達(たち)に芦田愛菜が出演

芦田愛菜がやってきたのは、糸井重里の職場だ。

出迎えを受け、職場内へと入る。社内を拝見し芦田愛菜は、「いや、何かやっぱり・・オフィスみたいなのを想像していたので、全然違いますね。かわいいというか、何か、こういう所で働きたいです。」と話していた。

ディレクターの「糸井さんをご存知でしたか?」という質問に、芦田愛菜は「存じ上げなかったんですけど、でもあの・・母に聞いて、コピーライターさんとかもやられたりしていて、やっぱり・・言葉に敏感な方なんだろうなっていうのは思いますね。」と答えていた。また、芦田愛菜は「そもそも、言葉についてどう思われてるかだったりとか、あとは・・”若者言葉”とか、やっありあるじゃないですか。そういうのを、こう・・どう思われてるか、聞かせていただけらなと思います。」と言っていた。

対談の中で、糸井重里さんを知らないという芦田愛菜。だが、母からトトロのお父さん役が糸井さんである事を聞いたそうだ。

芦田愛菜は現在14歳。糸井さんは70歳であり、その差は56歳の差である。糸井さんは、「孫の年齢ですよね」と言っていた。また、「対談が成り立つと思った事が、僕は凄く愉快。」話していた。

≪糸井重里が芦田愛菜へインタビュー≫
◆好きな花はなんですか?
・好きな花はなんですか?
芦田愛菜「ヒマワリとかよりも雑草の方が好きです。どこにも咲いている普通の花とか、ましてや草とか。好きかも知れないです。」

「その答えが出るまで14年かかってるんだよね」と糸井さん。

◆子どもはスパイ?
・無邪気に見えてもいっぱい大人の内緒話やら本当に話している事をスパイとして聞いていた気がする。そういう気持ちになった事があるか?(油断してるなみたいな事)

芦田愛菜「油断してるな~って思った事・・・。どうなんですかね・・。ん~でも・・ん~何だろ・・・。小さいときは、やっぱり確かにわかってないと思われて話されてても、わかってしまっていたという事は、もしかしたらあったかもしれないです。」

芦田愛菜「何処までが大人の話で、よく大人の話だから聞いちゃいけないとか、何かそういう言葉ってありますけど、何処までが大人の話で、何処までが子どもの話なのかっていうのも、わからないなって思ったりします。」

糸井さんには、小さい時の愛菜ちゃんは、ヒヨコに見えていたという。ひとつのシンボルだったようだ。「かわいい」と言いまくって構わない人だった。例に出すのに「芦田愛菜ちゃんみたいに」って言い方をしてるくらいピッカピカでヒヨコだったそうだ。

そんな話を聞いて、芦田愛菜は、「何か恥ずかしいです」と言っていた。

◆演技を始めたのは3歳
・まさかこんな風に本職になるっているのは、3歳の頃だと先を想像できないよね?
芦田愛菜「全然考えてなかったと思います。」

・3歳のあなたは、何を考えていた?
芦田愛菜「でも、本当にただただ楽しかったんだと思います。結構みんなと何かをしたりとか、あとは・・その、役になりきるのが好きな子だったので、本当に・・ただ一途に楽しいと思って続けてたんだと思います。」

・段々変わっていくんですか?もっと上手にできるんじゃないとか。
芦田愛菜「やるからには、上手くやりたいというか、やるからには、こう・・何て言うんですかね・・一番になりたいだったりとか、うまくやりたいっていう気持ちは、あの・・持っているので、だんだんもっと上達したいていう気持ちは出てきたと思います。」

糸井さんは「なんかオリンピック選手の話みたい」と話していた。

◆オーディションに不合格の日々
・負けず嫌いの部分がもともとあったんだね
芦田愛菜「はい。小さい時は、結構オーディションをいっぱい受けて、落ちたりする経験も何回もあって、その合格・不合格っていうのは、やっぱり・・出来なかったとか、悔しいっていう気持ちに繋がってましたね。」

・不合格の時どんな気持ちになる?
芦田愛菜「不合格の時は、でも・・その・・例えばドラマとかだったら、そのドラマとかで、やっぱり・・自分が出れたかも知れないのにっていう思いで泣いたりしてましたね。」

糸井さんに「気が強いんだね。」と言われ、芦田愛菜は「そうですね。」と答えていた。

◆ドラマMotherで一躍ブレイク
・Motherやったときは何歳ですか?
芦田愛菜「あれは・・5歳の時ですね」

・全部の世界を見上げて生きている。大人の視線は下向いている。世界が大きくて、自分がちっちゃくて、でも期待されて、その時と感触とか感覚は?
芦田愛菜「あぁ~・・なんですかね・・。自分が、周りからどう見られるとか、そこまではきっと考えられてはないと思いますね。本当に、純粋に自分が今、やらなきゃいけない事をやり遂げるだけみたいな・・感じの気持ちだと思います。」

◆あのころ芦田愛菜が思っていた事
・何があったんだろうというのも全くわからないで芝居をするなんて、なかなか難しいですよね?
芦田愛菜「そうですね。はい。ちゃんとはでも理解は出来てなかったとは思うんですけど、でもその・・やっぱりその・・やっぱり同い年くらいの子の役を演じる事が多かったので、理解できてないのも、その役の一部としてというか、でいいのかなって思ったりしますね。」

・大の大人がひどい事を言う事がある(お芝居で)。その衝撃について
芦田愛菜「ん~・・でも・・その時はその時だったんですかね。やっぱり待ち時間に、会話したりとか優しくしてもらったりとかもするので、これはお芝居で、これは現実なんだって事はわかっていたのかも知れないですね。そこまでは、入り込んでなかったですね。」

・じゃあ、間の休み時間がなかったら辛かったかもね
芦田愛菜「そうですね。やっぱり。嫌になる事もあったかも知れないです。」

・嫌にならなかったかですか?
芦田愛菜「ならなかったですね。なんだろう・・・何でですかね。でも小さい時から何か、おままごとしたりとか、なにか役になりきるっていうの結構好きだったので、そういうのは全然苦には思わなかったです。」

芦田愛菜「でも、やっぱり演じていて、凄く気持ちが乗るときもあれば、あ!ちょっと今のは違ったかもしれないなと思うときもあって、やっぱり、うまく気持ちが乗ったときは・・本当にそのセリフをしゃべってる時の顔になれたりとか、本当にその言われた時の顔になっらり動きになったりしますね。アドリブとかがこう上手くいけたりとか。するとやっぱり気持ちはいいですね。何か上手くいったなって達成感はあります。」

・カットで割ってるから、その都度いったなとかあったりなかったりするわけですよね?
芦田愛菜「そうですね。でも、私はあんまりこう・・ぶつ切りになるの好きじゃなくて、やっぱりどうしても気持ちなので、一連のシーンでやる方が好きだったりしますね。」

◆学業と仕事の両立
・学校での生活を第一に考えて、空いてる時間を仕事に使う事を今でとっている。ずっと通してたってすごいですよね。
芦田愛菜「お芝居する時はお芝居する時で、学校に行って友達と話したりする時はその時でというように、わけて考えるというか、一緒にはならないようにしてますね。」

・芦田愛菜をただの友達として扱ってくれた(学校で)
芦田愛菜「そうですね。本当にでもそれは嬉しいというか、感謝してますね。何も言われないです。」

・時間的には学校に行ってる時間の方が長いんですよね?
芦田愛菜「そうですね。」

・そこでの私というのは、ほぼ皆と変わらないんですか?
芦田愛菜「全然変わらないと思います。はい。別にケンカしたりもしますし。」

◆ケンカしてました・・・
芦田愛菜「中学生になってからは、あまりないですけど・・何かこう・・なんだろう・・今日は一緒に遊ぶって言ったのに、何で遊んでくれないのとか、そういうケンカで・・あの・・そうですね・・ギャンギャン泣いたりとかしてました。はい。これで遊びたいのにみたいな。全然普通に。はい。」

◆新しい事をもっと知りたい
・勉強は出来たんですか?
芦田愛菜「何か新しい事を知るとかは嫌いじゃなくて・・・だから、学校の授業が好きかって聞かれたら、好きとは言いにくいですけど、でも・・何かこう本を読むのとも似てて、何か新しい事を吸収したりとか、雑学とかでも、何か新しい話を聞いたりするのは結構好きですね。」

・覚えたい事とか山ほどあるでしょうから毎日面白いですね
芦田愛菜「そうですね。知らないことって、まだまだいっぱいあるので。はい。」

・知らない事を知る事だったら、だいたいの事好きなんだ
芦田愛菜「そうですね。好きですね。」

◆芦田愛菜は本の虫
・本を読む事をそういう事ですよね?
芦田愛菜「そうですね。やっぱり自分が生きてる世界じゃ体験できない事だったりが、本の主人公とかを通じて疑似体験出来たりとかするので、やっぱりそういう所が本の好きなとこかも知れないですね。」

・好きな本はやっぱり物語が多いですか?
芦田愛菜「そうですね。物語が多いですね。映画を見ているような気持ちで本を読んでる感じですね。」

芦田愛菜「何かこう・・ちょっとした時間とかでも、結構本を読んだり。歯磨きしながら本読んだりとかして、口の歯磨きの手が止まっちゃったりして。」

・映画でも本でも何でもいいんだけど、自分がこれは面白かったなって思うのは何か覚えているのはありますか?
芦田愛菜「一番・・・・・何ですかね・・・あ、でも・・なんかこう・・中学生になってすごく考えて、何かこう・・・何だろう・・”死”ってなんだろうとか、やっぱり考える本というのに、最近読み応えを感じるようになりました。」


・良いと悪い、ホントとウソ、どっちだかわからない。読み人によって読むときによって違って感じられる、みたいなところに言ってるんだ今
芦田愛菜「そうですね。なんかそういう本が面白いなって思うようになりました。」

糸井さんは「あなたの出てたドラマそうでしたよ」というコメントに、芦田愛菜は笑っていた。

・2度目見たら違って見えるかもしれないよ
芦田愛菜「結構最近になって、見返したことがあって、自分で・・何かこう・・涙が出てくるっていうか、ちょっと・・。また・・全然・・もちろん忘れていたわけじゃなくて、あの・・その・・小学校入る前の私と、やっぱり今の私が見るのでは全然違うんだなって思いました。」

◆いつかは私も書いてみたい
・自分で書きたいとか思うんですか?
芦田愛菜「自分で書きたいって事は、結構何度かあって、試してはみるんですけど、あの・・設定を考えてる時に、設定考える方が楽しくなってしまって、なかなか文章が書けなくて。」

◆自分じゃない誰かに・・・
芦田愛菜「最近思ったのは、本とかもそうやって何か・・主人公の気持ちになってみたりとか、どこかからのぞいて、そん時どういう気持ちなんだろうていう風にみたりとかしたり。お芝居とかも、やっぱり誰かになりきってやるので、何かこう・・そういう自分じゃない誰かになるっていうのが好きなのかなとか、私はそういうのを求めているのかなって思ったりしますね。」

◆挫折するのは嫌いじゃない
芦田愛菜「挫折するとか・・くじけるていうのは、結構嫌いじゃなくて。」

・その話をしてよ。そうじゃないと、上手く行き過ぎちゃうから。
芦田愛菜「全然そうじゃなくて、うまくいかないことばっかりなんですけど。・・・・・・ん~でもそんな思い通りになるわけじゃないですよね。だから、でも・・それで、何か・・ぶつかったりとかすることで、違う目標が見つかったりとか、あ!もっとこうしてみればいいんだって発見になったりとか。だから、挫折するのは嫌いじゃないですね。しないと前に進めないような気がして。」

糸井さんは、「本のタイトルにしたい」と言っていた。

・仕事に絡む事が多い?
芦田愛菜「そうですし、全然・・う~ん・・たくさん練習したのに上手くいかなかったとか。でも、それがないときっともっと上には行けないし、もっと前に進む事もできないと思うので。」

・すいすい順調にいったら心配になりますね。
芦田愛菜「なりますね。何か・・・なんだろう・・きっとそろそろ何かやらかしてしまうんじゃないかって、思ったりはします。」

芦田愛菜「やっぱりどっちかっていうと、心配性だったりとか、きっと見栄張りだったりとかすると思うので、何か・・見せたくないのかもしれないですね。自分の弱いとことかを。」

糸井さんは、「心配性までは人には言えるんだけど、見栄を張るってことについて、若い人はなかなか人には言えないですよね。それをいえるだけでも、随分と何を経験してきたんだなと。」と話していた。

・見栄っ張りですよね。人ってね。
芦田愛菜「負けず嫌いなのは、あると思います。何かこう・・やるからには、きちんとやりたいっていう気持ちもあって。」

・ちょっと負けかけた時に、すっごいショックを受けるみたいな事は?
芦田愛菜「ん~・・・ありますけど・・ん~・・・でも、まぁ、泣いて忘れるって時もありますし。」

・あ、そうか泣いちゃうんだ
芦田愛菜「はい。何か・・うん・・我慢してても、やっぱどうせ泣いちゃうんでいつかきっと。心に限界がきて・・だから・・うん・・何かこう・・・でも、泣いたらすっきりします。」

・それは芝居で泣くのとは全然ちがうよね。
芦田愛菜「そうですね。」

・でも、芝居で泣くのもあるから、そこん所の回路を持ってるのかもしれないね。
芦田愛菜「あ、でも、泣こうと思って泣けた事はないです。やっぱり泣いちゃうんです。」

◆大人になっていく私
・14歳ってのは、昔の昔だったら大人扱いもされたかも知れない。そこに何か思う事は御座いますか?
芦田愛菜「あの・・早く大人になりたいっていうのも思ったりもしますし、でも大人になりたくないなって思ったりもします。」

芦田愛菜「何かこう・・友達と一緒に皆で何かしたりとか、一緒にただ話してるだけの時間ってのも凄く楽しくて、何かこういう経験も出来なくなってしまうのかなっていう・・何かこう・・寂しさっていうか、嫌だなっていう気持ちもあるんですけど。」

・あれが一番人のやりたい事のような気がするな。どんな立派な事よりも、友達が集まってべっちゃべちゃ(しゃべる事)やってるの一番人間のやりたい事なんじゃないかなっ

て気がする。

芦田愛菜「たわいもない時間って、実は一番好きな時間ていうか大切にしたい時間ですね。」

・名前のつかないもののほうが貴重ですよね。目的が定かになったり。これですとか、あなたのとくちょう何ですかとか。言葉ですっと言えるものって、もうそれだけで・・ねぇ。
芦田愛菜「そうですね。形にならないものって大切かも知れないです。」

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≪芦田愛菜が糸井重里へインタビュー≫
◆かわいいってコトバ大好き
芦田愛菜「何か・・でも最近・・何か・・”若者言葉”ってあるじゃないですか?そういうのって、どう思われるんですか?

糸井さんの話
前の言葉では俺の気持ちは表せないと思うから、俺の服を着るように、俺の言葉を出すんで。使ってるうちに飽きるんです必ず。魚をとるのにいい網なんですよ、新しい言葉って。ピッチピチに色んな感情をすくえる。でも、その網ですくった魚は、いつも同じ魚じゃないってなって、人は、もうその魚いいってなる。」

芦田愛菜「でも・・何か・・やっぱり、それが悪いとは一丸には言えないですよね。」

糸井「かわいいって言葉は大好きですね。かわいいって使いますか?」

芦田愛菜「使います。凄い使います。」

糸井「かわいいがなかったら、今の世の中、どうしていいか分からないくらいかわいいのおかげで助けられてますよね。」

芦田愛菜「あ、確かに。かわいいもの見て癒されたりとか。しますもんね。」

◆かわいいは”社会の酸素”
糸井さんの話
かわいいって言葉は”社会の酸素”ですよ。かわいいねって言うおかげで。

一時はなんでもかわいいで済ませちゃう若者は語彙がなくて、日本の文化をダメにしてるっていう言い方があったけど、音と掛け算で使ってる言葉は、もっと豊に音を広げていけばいい。 (以下略)

◆キャッチコピーにこめた思い
芦田愛菜「私、あの・・ほたるの墓の4歳と14歳で生きようというと思ったってキャッチコピーを読んで、あそこに4歳と14歳って言葉が入ってるから、あの・・キャッチコピーの意味が成り立つって言うか・・生きようと思っただけだったら、恋人かもしれないし、友達かもしれないし、誰かわかんないし。でも、具体的に名前を出したらつまらないじゃないですか。だから、ああいう何ていうんですかね・・何かこう・・微妙なラインの言葉っていうのって、何かこう好きだなって思いました。」

糸井「作れますよ。」

芦田愛菜「いやいや。それがなかなか難しくて。」

糸井さんの話
4歳と14歳って、登場人物の年齢そのものの。その数字を書くだけで何を感じるかと言うと、4歳では生きられっこない。14歳は4歳を生かすだけの力がない。あなた(芦田愛菜)の歳(14歳)の人が4歳の子どもを連れて、二人で生きようと思ったところに、なみなみならない状況にあるなって事がわかる。それは大変だよ。無理だよ。と思いながら、彼女・彼を追いかけるわけで、今の時代には、たぶん受けないかもしれない。その抽象度は、じれったくて嫌がるかもしれない。(以下略)

◆伝えたいのは伝えきれない気持ち
糸井さんの話
本当に言いたいのは伝えきれない気持ちの方を言いたい。ああ伝わったっていう喜び以上に言いたいのは、こんなにたくさんあって伝えきれないっていう話がしたいのに、わからせてくださいって言われちゃうと、どうにもなんなくて。(以下略)

芦田愛菜「何かこう・・簡単な言葉で表せないような言葉ってありますよね。行間をよむって言う言葉があるみたいに、何か・・日本人ってその空気を読むとか、行間を読むとか、表せないものを感じ取るみたいな文化があるなと思っていて、でも・・何か・・書いてない事だからこそ、面白いものってきっとあると思って、そこが何か本の面白い所だなって思って。だから、その・・・さっき仰ってたみたいに、言葉じゃない言葉、言葉にならないところの言葉っていうのって、やっぱ一番大切なんですねきっと。」

◆言葉に裏地を持たせてみよう
ことばは、いつも気持ちに足りない。そんな気がしているから、みんながことばをトゥマッチにしたがるんでしょうね。

糸井さんの話
結婚を申し込みに来た若者に、お父さんが娘を幸せにしてくれるか?って聞いたときに、本当は、幸せって何って考えてたら、ん~ってなってもおかしくない。

芦田愛菜「あ~、確かにそうですね。」

糸井さんの話
なのに、はい!って言うしね。3分こうやってたら、そんな人のところに嫁がせられないよね。そこはだから、大きい意味では、言葉を雑に使っている。

芦田愛菜「何かもう、そういう物みたいになってますもんね。」

糸井さんの話
お互いに、さっと「はい!」って言ったから、よし!ってなるんだけど、本当のしあわせって、今お聞きになった事はどういうことを幸せと言いますか?とか、問答なんかしちゃったら、それでもう失格ですよね。

芦田愛菜「そうですよね。でもそれが普通ですよね。本当は。」

糸井さんの話
そう。だから、それを僕は裏地にすればいいと思う。(以下略)

芦田愛菜「あの・・思った事は言いなさいってよく言われるじゃないですか。でも言ったら絶対怒られる事だってあるじゃないですか。そういうような時出るかもしれないです。」

糸井さんの話
怒らないから言ってごらんっていって、怒らなかった人っていないですよね。

芦田愛菜「いないです。絶対怒られます。」

糸井「怒られますよね。」

芦田愛菜「はい。」

糸井さんの話
そこは、利口になって使い分けするって事だし、もう1つ、その・・本当はもっと違うことを俺は言いたいんだって事を忘れない事じゃないですかね。もっと難しいことじゃないの?という問いかけは一生する。

芦田愛菜「それを忘れずに心にとどめられる人の方がかっこいいなって思いました。」

◆糸井さんの夢はなんですか?
芦田愛菜「糸井さんは、何かこう・・今後の挑戦したい事ってあったりするんですか?目標とか。」

糸井さんの話
無責任なく社長を辞めたい。今、社長業なんで、皆がこうどのくらいのコンディションで、どうやってるかなんて知ってて一緒に仕事をしている。もっとワガママになりたい。(略)何年かしたら作詞家デビューをもう一回しようかなと。

芦田愛菜「その歌聴けるの凄い楽しみにしてます。」

◆とんでもない会話が好き
糸井さんの話
知らない人同士の会話とか好きで。そのつまんない感じが好きみたいな。何でもない会話をしてるじゃないですか。そういう方が、自分に何か・・すごくこう・・もらってる気がしますね。

芦田愛菜「あの・・自分と誰かの会話って、絶対に共通しているものだったりとか、きっと価値観とかが一緒だけど、違う人だと、全然違う話っていうか・・しないような話とか、聞けたりしますもんね。」

糸井さんの話
若い人同士ってしゃべったりしてる。でも、年寄りの夫婦って、大体しゃべってない。(略)どうしてああなるんだろうって思ったら、自分がなってた。歳とったら、全く同じになってた。

芦田愛菜「何でそうなるんだと思いますか?」

◆無言でいられる心地よさ
糸井さんの話
無言でいられる相手として最高なんです。言葉が少なくなってる快感っていうのはすごくあって、ご飯を食べるにしても、かみさんと行くのが一番しゃべらない相手で食べてるんだけど、大体おいしいねとかはしゃべってるんですよ。そのことを僕は、純食事、どんなに親しい人でも男友達といったり、仕事で知り合いの女友達と行ったりしていると、やっぱりしゃべる。一番おいしい所を逃しているような気がする。

芦田愛菜「あ~、会話に夢中になっちゃって?」

糸井さんの話
気をとられてるので、さっき食べたっけ?食べましたよって事になる。奥さんと行くと、絶対に忘れてない。それは、若い時にはない、しゃべらない側の良さ。こんな若い人にない教えてるんでしょうね。

芦田愛菜「いやいや。でも私はやっぱりまだ、しゃべる事の方が大切だと思っちゃいました。」

糸井「当然そうです。」

芦田愛菜「何か、会話が途切れちゃったりとか、ちょっと沈黙が続くよりも、ずっとしゃべってたいって思っちゃいますね。」

糸井「そうしてください。」

◆青春ってなんですか?
芦田愛菜「青春ってなんだと思いますか?きっと私ってなんか、あの・・青春してる時代って呼ばれる歳にいると思うんですけど。何か・・こう・・なんだと思いますか?」

糸井さんの話
その時によって、違う事を言うんでしょうけど、今聞かれて思ったのは、自分の中の自然がさまよい出している。そういう頃じゃないかな。植物でいえば、花を咲かせる準備をしている。生き物として、やむにやまれないことをし始めたとき。結構長く続くんですけどね。

芦田愛菜「でも、私は結構・・・若く・・何か・・歳をとっても青春ってできる。年齢なんて関係ないってよく言うんですけど、でもやっぱり若いからできることってあると思ってて、何かこう・・若いからいい意味で何も知らないっていうか、恐れをしらない怖さを知らないから出来る事ってきっとあるんだろうなって思います。」

糸井さんの話
その、やむにやまれぬ自然に呼ばれてやってる事って言うのは、後で考えたら、やんなきゃよかったって事もいっぱいあるわけで、もしかしたらそこで、やった事がもとになって、大きいものになってるかもしれないし。楽しいですよね。他人の事だと思うと。

芦田愛菜「でも自分ではやっぱりなかなか思えない・・・」

糸井さんの話
青春が過ぎてからっていうのは、青春って名前が付いてないだけで、ずっとおもしろい。

芦田愛菜「何か、やろうと思って準備したりとか、何か新しい気持ちが生まれるっていうのも青春なのかもしれないです。」

糸井さんの話
そういう青春を気持ちよく生かすために、何が必要かって思ったんだけど、いい老人が出来ることだね。(略) 老人と青春は対立するものじゃなくてコマを回すみたいな。

芦田愛菜「やっぱり、本の世界でも、何かこう・・主人公の近くに大体おじいちゃんとかおばあちゃんがいたりしますね。」

◆言葉にするのは楽になること
芦田愛菜「今、ちょっと思ったんですけど、言葉にするって楽になることでもあるのかもしれないですね。思い込むよりも、言ってしまったりとか、やってしまったりする方が楽になれる」

糸井「後で書き直せばいいからね。」

糸井さんの話
あん時描いた絵と今は違うけど、また描けた。それは多分・・言葉にできかけた時とか。でも、そういうものを見えててしゃべれてるってのは、もうすでに随分絵が描けるようになってますね。

芦田愛菜「そうなのかなってイメージの部分もあります。」

糸井「”なのかな”の塊。70歳になっても思ってますよ。”こうです”ってことはない。”なのかな”ばっかり。”なのかな組”ですよ。」

芦田愛菜「でも、直感って大事だったりしません?その、なのかなとか、そう思うな~ぐらいが、実は一番あってたりする。」

糸井「そうですね。」

糸井さんの話
ものごとに名前がついちゃったらもうおしまいですっていうのと、対応してるんだけどわかってるんだけど言えないっていうことが、どんどんたまっていく。心が豊だって事なんでしょうね。

◆番組の最後
糸井「面白かったです。」

芦田愛菜「私もすごい楽しかったです。ありがとうございました。」

糸井「くたびれたでしょ。」

芦田愛菜「あっという間でしたすごい。ありがとうございました。」

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